〜 糀屋(こうじや)主人 濱口準二 〜 大正の創業から数えてみたら90年以上になるんやなあ。でもワシひとりで90年も豆腐屋やっとる訳と違うけどな。(笑)数えて3代目になるんですわ。 もっとも、最初の頃は甘酒用の「糀(こうじ)」を作っていたらしいけどな。 店の名前もそこからきているみたい。 豆腐は朝4時に起きてつくるんやけど、夫婦だけでつくっとるんであまりたくさん作れへんし、それで毎日昼前には売り切れなんさ。 全部自動の豆腐を作る機械を考えた時期もあったんやけど、味が落ちるもんでな。 せっかく買いに来てくれたお客さんに売り切れですって言うのは申し訳ないんやけど、ええ味出すのは、手づくりしかないんさ。うちらみたいに全部手でつくっとる豆腐屋、もう少ないんとちがうかなあ。 材料やらを自慢しとる豆腐屋もおるけど、ええ材料使うのはそんなもん豆腐屋として当たり前の話や。毎日のにがりの入れ方ひとつとっても、腕と経験しかあらへん。豆腐は機械では絶対にでけへん食の総合芸術。おいしい言うて毎日買いに来てくれるお客さんはほんま宝物や。いつもありがとう思って作ってます。 でもな、そんな豆腐もいつまでできるかなあ。ちょっと寂しいけど、もうワシの代で最後かも知れん。昔ながらのホントの手づくりの味。食べるなら今のうちやでえ。 あまりたくさん作れへんので、すぐ売り切れるんで前もって電話くれるか早い目にお願いします。
気合で作った本物の豆腐
糀屋人気ナンバーワン! 毎日買いにくるお客さんも・・・
豆腐屋で作った油揚げ。全てにこだわっているので、そのまま食べてもおいしい。